昭和40年当時、レベルコントローラー(レベルスイッチ)、レベル連続指示伝送器(レベル伝送器 / レベル計)ともに主流は真空管を用いたものだったが、高電力を消費し高温になる(防爆構造に不向き)、測定精度が不安定、熟練者でないと生産が困難(高いコストがかかる)等の問題が真空管にはあった。
昭和41年に大機工業(株)に入社した飯坂豊治は、当時まだ不可能とされていた半導体を用いた静電容量の実用化に昭和40年代初旬に初めて成功し、静電容量式レベルスイッチ、静電容量式レベル計、境界面自動平衡式レベル計を完成させ発明者として特許取得に至る。
20代で技術課長となり工業計器の開発責任者となって以降も、引き続き静電容量式レベルスイッチQH型・SH型、静電容量式レベル計QB型・SB型、境界面自動平衡式レベル計QC型・QS型のラインナップを森本、松村、筒井と共に完成させ、順風満帆だと思われた彼らのサラリーマン技術者人生は昭和49年9月、会社倒産により突然の終わりを迎える。
大手製造業から高待遇で迎え入れる話を飯坂は再三受けるも、取引先からの強い要望と多くのサポートもあり連日深夜まで話し合った結果、翌月の昭和49年10月に飯坂、森本、松村、筒井(現工場長)の4人で個人商店ディテック社を立ち上げる。
前所属企業と同一商号を使用して債務のみを放棄するのは道義的にも法的(会社法22条・商法17条)にも問題があるため、社名をDielectric、Detector、Electrostatic、Technologyを掛け合わせたDITECHとした。
新会社への加入希望者は多かったが沢山の人員を抱えるのは資金的に困難だったため4人での事業立ち上げとなった。
QH型・SH型・QB型・SB型・QC型・SC型の製品名(商標)も上記と同じ理由により使用せず、間借りした尼崎工場にて新たに回路設計を行い、より性能を向上させた静電容量式レベルスイッチNQH型・NSH型、静電容量式レベル計QBS型・NSB型、境界面自動平衡式レベル計NQC型・NSC型を開発する。
事業の目処がつき始めた昭和50年5月、ディテック株式会社として株式会社化する。
昭和50年5月 | 静電容量式レベルスイッチ 非防爆 NQH型 開発 |
昭和50年5月 | 静電容量式レベルスイッチ 防爆 NSH型 開発 |
昭和50年5月 | 静電容量式レベル計 非防爆 QBS型 開発 |
昭和50年5月 | 静電容量式レベル計 防爆 NSB型 開発 |
昭和50年5月 | インピーダンス式レベルスイッチ 非防爆 NQS型 開発 |
昭和50年5月 | インピーダンス式レベルスイッチ 防爆 NSS型 開発 |
昭和50年5月 | 境界面自動平衡式レベル計 非防爆 NQC型 開発 |
昭和50年5月 | 境界面自動平衡式レベル計 防爆 NSC型 開発 |
昭和50年7月 | 静電容量式水位計 NQB型 (現 QBS-WF型) 開発 |
昭和51年2月 | ビールセンサ (現 導電率スイッチ) DR型 開発 |
昭和51年4月 | レベルスイッチ用動作チェッカー 開発 |
昭和51年5月 | mm級油膜検知器 NQH-OFm型 開発 |
昭和52年2月 | 落雷用避雷器 (現 落雷用アレスタ) SK型 開発 |
昭和52年3月 | 沈殿物濃度計 開発 ※ この濃度計を開発するにあたり誕生した補償電極の技術を レベル計に用いたことにより、 後に 比誘電率補正式レベル計 が開発されました。 |
昭和52年4月 | 2極式レベルスイッチ 開発 |
昭和52年11月 | 遠心分離機用厚み検知器 (現 遠心分離機用厚み計) 開発 |
昭和52年12月 | 1極2点式レベルスイッチ (現 多点式レベルスイッチ) 開発 |
昭和52年12月 | 振動式レベルスイッチ 非防爆 DTA-A型 開発 |
昭和53年4月 | 振動式レベルスイッチ 防爆 STA-A型 開発 |
昭和53年5月 | 静電容量式 水中油分計 開発 |
昭和54年5月 | 静電容量式 油中水分計 開発 |
昭和54年9月 | マグネットバイアス式 振動式レベルスイッチ 非防爆 DTA-M型 開発 |
昭和54年11月 | 静電容量式水分計 QBS-MM型 開発 |
昭和54年12月 | 防爆用 別置型指示計 LI-100型 開発 |
昭和54年12月 | 波高計 開発 |
昭和54年12月 | 超高感度形レベルスイッチ (現 純静電容量式レベルスイッチ) DLS型 開発 |
昭和55年2月 | 高さ計 (現 非接触型 自動平衡式レベル計) 開発 |
昭和55年4月 | 沈砂量測定装置 開発 |
昭和55年9月 | マグネットバイアス式 振動式レベルスイッチ 防爆 STA-M型 開発 |
昭和55年11月 | 光学式フィルム検知器 開発 |
昭和56年7月 | せき式流量計 NQBH型 (現 QBS-FM型) 開発 |
昭和56年8月 | 上下固定ワイヤ型 大型タンク用レベル計 開発 |
昭和56年9月 | ガード式レベルスイッチ 非防爆 NQS-G型 開発 |
昭和56年11月 | パイプ詰まり検知スイッチ 開発 |
昭和57年3月 | 空気可変コンデンサ (現 静電容量発生器) SVC-500型 開発 |
昭和57年4月 | 1極3点式レベルスイッチ (現 多点式レベルスイッチ) 開発 |
昭和57年5月 | ロータリーキルン用レベル計 開発 |
昭和57年8月 | 泡検知器 (現 泡面スイッチ) NSH-FO型 開発 |
昭和58年2月 | アルコール濃度計 開発 |
昭和58年5月 | 静電気用アレスタ SP型 開発 |
昭和58年11月 | 離型剤濃度計 開発 |
昭和59年3月 | 比誘電率補正式レベル計 NSB-DC型 開発 |
昭和59年4月 | フロート式界面計 開発 |
昭和59年4月 | ガラス検知器 開発 |
昭和59年4月 | 配管用通過量計 (現 縦配管用レベル計) 開発 |
昭和59年7月 | インピーダンス式 漏洩検知器 (現 ドレン管用 漏洩検知器) 開発 |
昭和60年1月 | 導電率計 開発 |
昭和60年7月 | 境界面 自動平衡式レベル計 NQC-V型 開発 |
昭和60年7月 | 粉体流量計 (現 インパクト式 落下検知器) 開発 |
昭和60年8月 | コンベヤ用水分計 開発 |
昭和60年12月 | 静電容量式 漏洩検知器 (現 ドレン管用 漏洩検知器) 開発 |
昭和61年4月 | 流動層用密度測定器 開発 |
昭和61年5月 | 静電容量式フロックセンサ 開発 |
昭和61年9月 | 振動式フロックセンサ 開発 |
昭和61年10月 | 振動式粘度計 開発 |
昭和61年11月 | 粉体流動検知センサ 開発 |
昭和62年1月 | 比誘電率計 開発 |
昭和62年1月 | インピーダンス式レベル計 IP型 開発 |
昭和62年3月 | 溶融金属用レベル計 DIM型 開発 |
昭和62年5月 | フラット型 振動式レベルスイッチ 開発 |
昭和62年10月 | ガス比誘電率計 開発 |
昭和62年11月 | マイクロ波式 通過検知器 MM型 開発 |
昭和62年12月 | 対向電極式レベル計 開発 |
昭和63年2月 | 比誘電率(ε.tanδ)測定器 (現 ラボ用 比誘電率計) 開発 |
昭和63年4月 | 塊検知器 D-S型 開発 |
昭和63年8月 | パイプライン密度計 開発 |
平成1年7月 | 静電容量発生器 SVC-300型 開発 |
平成1年11月 | 付着厚み計 及び 密度計 開発 |
平成1年12月 | 水砕水分計 開発 |
平成2年8月 | 静電容量式レベルスイッチ NSH-C型 開発 |
平成2年10月 | 静電容量式レベルスイッチ NQH-Y型 開発 |
平成3年3月 | 超高感度レベルスイッチ MPH型 開発 |
平成3年8月 | 静電容量式レベルスイッチ NQH-C型 開発 |
平成3年9月 | 汎用型 静電容量式レベルスイッチ OCT型 開発 |
平成3年10月 | 偏位計 開発 |
平成4年3月 | 超高感度レベル計 MPB型 開発 |
平成4年5月 | パルス用 触媒通過計 開発 |
平成4年6月 | 人の手検知器 (現 3次元 人感検知器) 開発 |
平成4年6月 | 静電容量式レベルスイッチ NSH-Y型 開発 |
平成6年5月 | フレコン水分計 (現 大型フレコン用水分検知器) 開発 |
平成6年5月 | フレコン水分計ポータブル (現 携帯用水分センサ) 開発 |
平成7年3月 | ガード式レベル計 開発 |
平成7年6月 | μm級 極薄油膜検知器 開発 |
平成8年10月 | フラット型 振動式レベルスイッチ 高温タイプ 開発 |
平成9年8月 | はさまれ防止センサ (現 3次元 人感検知器) 開発 |
平成10年4月 | 焼却灰中水分濃度計 開発 |
平成10年9月 | 振動式レベルスイッチ 高温タイプ 開発 |
平成10年11月 | レベル計チェッカー 開発 |
平成11年3月 | 金属粉検知器 (現 電磁誘導式メタル検知器) 開発 |
平成11年7月 | V型卓上振動式粘度計 (現 ラボ用 振動式粘度センサ) 開発 |
平成15年2月 | 漏洩検知器 (現 配管用 微量液漏洩計) 開発 |
平成17年12月 | パイプラインレベル計 開発 |
平成18年7月 | 振動式粘度計 低粘度用および高粘度用 開発 |
平成21年8月 | ラボ用静電電圧計 開発 |
平成21年12月 | 溶融金属用レベルスイッチ 開発 |
平成22年6月 | 振動式粘度計 変換器電源一体防爆型 NSB-V型 開発 ※ 従来の変換器と電源の分離防爆型を一新し、 一体防爆型の粘度計を開発しました。 |
平成22年7月 | 静電電流計 S-22型 開発 |
平成24年8月 | タービンメータ流量計 DM-11型 開発 |
平成24年9月 | 圧送用 触媒通過計 開発 |
平成26年7月 | 大型フレコン用水分検知器 結線内蔵型 開発 |
平成26年8月 | 静電容量式レベルスイッチ NQH-C型(新型) 開発 |
平成26年10月 | 振動式粘度計 高温仕様センサ 開発 ※ 従来の検出器の許容温度は-50℃~+350℃でしたが、 -200℃~+600℃まで耐えうる高温仕様センサを開発しました。 |
平成26年12月 | ブロー機能付レベルスイッチ DTA-BL型 開発 |
平成27年8月 | 防爆型 塊検知器 LD-11型 開発 |
平成28年1月 | ブロー機能付レベル計 開発 |
平成29年10月 | 直棒型 フレコン水分検知器 D-MFR型 開発 |
平成30年7月 | 防爆型 タービンメータ流量計 TM-11型 開発 |